視聴感想:100000年後の安全

100000年後の安全(2/10までの限定視聴) - きりなの日記 に書いたが、先ほど、2月10日までの限定視聴になっている
YouTubeを視聴した。

既に全部を文字起こしされた方もいるようだ*1、視聴期限を過ぎてしまってから読んだ方は、脚注のリンクをご参照下さい。

フィンランドオンカロは、現在のところ人類が唯一建設を始めた高レベル核廃棄物の最終処分場。
数十億年に及ぶ安定した岩盤があって初めて建設が可能な、しかしそれでも不確定な要素がつきまとう十万年間もの間、
自己完結型で核廃棄物を保管/隔離する最終処分場だ。

最終処分場が作られることが決定した際に、3つの原則が決まったという。

  1. 未来の世代が負うことになる義務の軽減
  2. 未来の世代の保護
  3. 廃棄物処分場についての情報を未来の世代に伝えていくということ

人類が原子力を手にしてから、わずか100年あまり、初めて原子炉を作ってからだと、
まだ80年かそこらしか経っていない*2。そして、ウラン燃料に関する限り、あと100年程度しか採掘できず、その後は
また別のエネルギーに頼るしかない……でも10万年残るのです。

更なる不幸としては、地震大国日本にはオンカロ同様の施設を作り得る岩盤がありません。
この辺のことはもう2年も前に2万年前の日本列島 10万年後の日本列島: 私設原子力情報室(移転済み)
まとめて下さっている方がいるので、そちらを見て下さい.日本の2万年前の海岸線と最終処分場について論じておられます.

そうなると、現在日本が取らなくてはならない原子力政策は

  1. 使用済核燃料の埋め立て以外での処分方法の模索 (望みは薄い)
  2. 既設原子力発電所内保管の燃料プールの安全性確保
  3. 既設原子力発電所廃炉手続きの確立
  4. 原子力に代わる代替エネルギーの選定

ここまでやっても、1基廃炉に40年くらい、50数基からある日本中の原子炉を廃炉完了するまでには100年では足りず、ましてや、使用済燃料10万年保管する施設は作れない訳ですから、人手で管理し続けなければならないのです……10万年。

これに加えて、現在日本政府が海外に売り込んでいる原子力発電所、日本はそこで発生した使用済核燃料を引き取る義務がある訳で、もう、日本の政策は何を考えているのかわからない……まずは広く会議を興して正しく進めなくてはおかしな事になる.パブリックコメントも「こっそり」とやって集まらないように集まらないようにしているようでは、ひどいことしか起きないのです……為政者の方々には是非、考えて頂きたいと思います。