バス停にて
なんとも悪い乗り継ぎで、一つ前のバスには乗れず(とは言え、列車を一本遅らせると、終バスも逃す)間の地下鉄はいっぱいあるのにね。
ともあれ、少し人間模様の観察を……
正直に言うなら、同じ路線バスの終バス待ちの人しかいないんだから、タクシーの割り勘を持ち掛けようかとも考えたのだ。人数が少ないうちは。
しかし、一人は大袈裟なアクション付きで、のりにがしたバスを悔やんだ後、チラともこちらを見ずに携帯でブラウズしてる。
もうひとりは、電話で延々彼女とおぼしき相手を寝かしつけていてそれどころではない。
次にかけよってきたひとは、一瞬時刻表を一瞥するやいなや、タクシーに飛び乗った。
そして、バス停に人がある程度並ぶようになってしまえば、もうそんな提案も出せないものだ。
反応は一人一人みんな違う。たまにはこんな観察も面白い。
面白がっているうちにバスが来た。
さあ、うちに帰ろう。