応答:パンデミックについて
トリインフルエンザのパンデミックを題材に水谷潔師が取り扱っているので、応答してみたい。
新型インフルエンザ、教会の対応は? | 命と性の日記〜日々是命、日々是性
まず、私が以前トリインフルエンザについて取り上げた際の情報を挙げておく。
トリインフルエンザはそもそも鳥類の病気であり、鳥の体温は人間に比べて総じて高いため、発熱によって病原体を排除または無力化しようという人間の身体による抵抗は徒労に終わる。
鳥の体温で活動できるモノを熱で対処するには、鳥の体温よりも高い体温にならなければならないが、人間のタンパク質は42℃で変性する。
肉で言えば、焼けたり煮えたりして固くなると言うことだ*1。
なので、抵抗は主に抗体抗原反応と言うことにならざるを得ない。(投薬は除く)
人間の抗体抗原反応は良く出来ていて、パズルが得意だ。
なので、ある程度似たような構造のタンパクに対して抗体抗原を持つ場合、似たような構造のタンパクに対しても、部品の寄せ集めである程度は対応してしまう(効率は悪い)。
これを原理としてプレパンデミック・ワクチンは作られることになる。
つまり、未だ現れていないウイルスに有効なワクチンは(まだ、そのウイルスが無いため)作れないが、構造のが似ている、次に変異が起きたらヒトに感染するといったウイルスに耐性をつけておけば、ある程度の効果が期待出来るのと、そのあとで、本物のワクチン(パンデミック・ワクチン)を投与した際に、体が抵抗をつけるまでの時間を短縮できるという効果をもつ。
このプレパンデミック・ワクチンは日本でも備蓄が始まっているそうだが、基本的に医療関係者にしか投与されない筈だ。
なので、パンデミック発生時に一般人のとれる対抗手段は。
- 外に出ない(病原体を貰わない)
- 出るとしても、マスク等で防御
- 感染したら、保健所等に連絡と共に、医師からタミフルをもらう(感染後48時間以内じゃないと効果無し)(直接病院には行かない)
- 他人に感染さない
あたりだろうか?
なので、パンデミック中に礼拝というのは無謀でしょう(私見)。
まぁ、トリインフルエンザに限った話ではないですが。
*1:それゆえ、水銀式の体温計にはこれ以上の目盛は無い、生きていけないからだ