「小さないのちを守る会」関連

昨日書くつもりだった、小さないのちを守る会の講演の続報。(d:id:kyrina:20070715:p3 参照)

幾人かに、ブックマークをしていただいたようである。感謝。

そのなかで、
「『日本の一度でも妊娠経験のある女性の実に43%が中絶経験を持つという、驚愕の事実。』まじですか? それから資料がほしい。」
というコメントがあるようなので、少しまじめに調査。

講演と同じ発言は

母親の中絶体験 | 命と性の日記〜日々是命、日々是性 に書いてあるので、ここを元に調べてみます。
ふむ、1999年のNHKの調査らしい

http://www2.dokkyo.ac.jp/~less0124/termes.html
ここの『ピルと女性』に同様の引用がある、まだ本体にたどり着けない。

http://pe-med.umin.ac.jp/regular_news/2004.htm
ここで、◆7月例会(第126回総合部会例会)という項目に同様の引用がある。

ジェンダーと平和学に関するビデオリスト
に「中絶経験43%避妊できない夫婦」としてリストが上がっているので、追及される方は参考にされたい。


本題に戻る。

この数字は、冗談では済まされない数字だ。
そして、さらに、キリスト者学生会(KGK)の調査に拠るとと、1992年度にKGK学生の性体験率は10%、それが、2002年度には30%に上昇しているという。

日本の平均ではない、日本のクリスチャン学生のである……

大きな危機である。

『何故か?』

十分な伝達が出来ていないのだろう。
十戒に「姦淫してはならない」とある。彼らもそれを十分に知っている……しかし、『姦淫』が何かを理解していないのだという……

大人は教えたつもり、子供は聞いた覚えがない。

「不品行」というのも同様だ、『お行儀が悪いこと』だと思っていた学生も居たのだとか……


水谷潔師の講演の中で、次のようなメッセージが語られた。うろ覚えなので要約になってしまうが


 イエス様は、人頭税を支払うべきか、どうかという問題を突きつけられたときに、「デナリオン銀貨には何が刻まれているか」「カイザル(皇帝)です」「ならば、神のものは神へ、カイザルのものはカイザルに返しなさい」 と言われました。

 この当時、貨幣は、その所有者の肖像が刻まれていました。税金を払うのに使われるこのデナリオン銀貨の『真の所有者』はローマ皇帝であり、民衆はそれを『借りている』に過ぎないと言う前提があります。

 では、『神のもの』とはなんでしょうか?

神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」
神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。

新改訳聖書 第3版 創世記1章26節〜27節

この『似せて』というのは、目鼻の数、指の本数などではなく、『霊』を持つものだと、キリスト教では伝統的に理解される。
神が私たちに似ているのではない、私たち人間が、神の『似姿』なのだと。

どういうことかというと、真の所有者の刻印が、古代の銀貨同様、私たちの命に刻まれているということである。

つまり、真の所有者に断りも居れずに、これを勝手に殺す権利は、私たちにはないということである。

殺人然り、自殺然り、中絶然り。

そして、これらをただ、「やめろ」とお題目のように言うのではなく、そのためには(経済的な、あるいはそのほかの理由で)育てることの出来ない子供を、ケアするために、養子縁組を実際に仲介している。会場にもそのようにして養子縁組された子供がひとり、姿を見せてくれた。

非常に明るいお子さんで、愛情たっぷりに育てたれているように見えた。

また、妊娠中絶経験者へのケアも守る会の課題である。
先ほどのNHK調査が引用されている例にもあるように、日本では妊娠経験者の43%が中絶経験者であると99年の調査では出ている。
それらの人々が、過剰に病まないように、次に同様の人々が出ないようにケアすること……これが、会の課題である。

すでに起きたことは取り返すことが出来ない、それを責めても、誰も何も得ることは出来ない。
しかし、次を起こさないように、手を尽くすことは出来るのだ。

何から出来るかは判らないが、祈って行きたい。