あり得ない選択肢
帰省最終日、昔お世話になった方に、たぶん7、8年ぶりに会った。
いろいろと、札幌変わったねとか、昔はあの辺りはああだったとか、昔話に花を咲かせていたのだが、小さないのちを守る会の小冊子を渡して、最近こういう会の会員になったと伝えてしばらくして、彼女、Sさんは、こんなことを話だした。
お友だちが亡くなって、今回、納骨やらなにやら、その為もあっての帰省だったそうなのだが……
そのお友だちの女性はなくなる前に、養子を取っていたらしい。
そして、奥さんの死後、約2ヶ月で、旦那はその子を返したらしい……
文意が分からなかった。単語は分かったのだけど、ちゃんと日本語の単語だ。
でも、「こども」の後に「返す」と言う単語は、日本語だとどういう意味だろう?
そう、とぼけたくなるほどの違和感が私を襲い、次いで怒りが込み上げた。
Sさんは、今までに一番怒りを覚えたと言う。が、更に恐ろしいことを言い出した。
今までに、この話を彼女から聞いて、憤りを覚えたのは私だけだったと言うのだ。
そうなのか? これは怒るべきことではないのか?
彼女は言う、およそ彼女の感情の中で、怒りと言う感情は一番起伏が小さいのだと*1。実際、大概のことは取り返しがつくし、「自分もその立場だったらそうしてしまうかもしれない」事は、たとえどんなにひどい事ではあっても、許せると言う。しかし、今回のこの事は許すことが出来ないと。
その養子だった子は三歳の男の子、彼女も会ったことのある可愛い男の子だそうだ。
この子は一歳で母親と死別して、施設に預けられた。
二歳で、養子に迎えられた。この時に彼女は既にガンに冒されており、周囲の反対は大きかったそうだ。
旦那は、この時に養子をとることを承諾するべきではなかったか、あるいは、奥さんの死後にこの子を守る覚悟をするべきだったと私は強く思う。
「男手ひとつで子供を育てるのは大変だから、あまりその男性を責めてはいけない」
とか
「やはり、自分の血の繋がった子じゃなきゃ……産んだことない人には判らないわよ」
などと、彼女は言われたらしい。
聞けば、その奥さんのご両親にとっても、その子は(血の繋がりがあろうがなかろうが)初孫であり、可愛がっていたそうなのだ。
また、従兄弟たちとも仲良くして……という一年弱の後、二度目の母親との死別……これは、避けようの無い事実だ。
が、父親に捨てられるというのは、果たしてその子どもにどんな爪痕を刻んだのだろう?
私も、又聞きでありながら、この事実、選択肢を許せない。
私が間違っているのだろうか? 彼女に共感したのは私だけだと言うのだが……
私には、やはり信じられない。
P.S.
この件に関して、トラックバックを頂いたので、ご紹介。
信じ難い - おばばの戯言
やはり、子供の目線で考えればありえない選択肢ですよね?
意見を同じくする人からのコメント、感謝です。
P.P.S.
いっぱい訪問していただいたのでリンクとトラックバック張っておきます。
★いちごいちえ★ スッキリ!ペットの処分場。
*1:これは、私が個人的に保証する